信濃毎日新聞社が30日投開票の衆院選で実施した出口調査(8600人余対象)では、選挙後の政権に取り組んでほしい地域課題として「医療・福祉の充実」が最も多く、医師不足などに悩む県内各地の実情を色濃く反映する結果になった。一方、投票に際して重視した政策では、「年金など社会保障」「景気・雇用」「子育て支援」を挙げる有権者が世代ごとに分かれた。
<「重視した政策」年代で濃淡>
投票に際して重視した政策は、年代ごとに大きな違いが出た。全体の35%が挙げた「年金など社会保障」は50代、60代、70代以上で最も多かったが、30代は「子育て支援」がトップ。「景気・雇用」は20代と40代で最多だった。
「年金など社会保障」は60代で49%、70代以上で48%と、年金の受給世代でほぼ半数を占めた。50代も39%、40代でも24%が重視すると回答した。
「子育て支援」は、子育て中の有権者が多い30代で37%。20代も21%、40代も17%だった。しかし、50代は6%、60代は4%、70代以上は2%と、年代が上がるにつれて低下し、世代間で関心の濃淡もみられる。
一方、「景気・雇用」は20代で31%、40代で28%だったほか、50代でも24%、30代も22%と勤労者が多い世代で満遍なく関心を集めた。60代は18%、70代以上は15%だった。
男女別では、「子育て支援」と「景気・雇用」の回答割合で差が見られた。女性の16%が「子育て支援」と答えたのに対し、男性は9%。一方、男性は24%が「景気・雇用」と回答したのに対し、女性は19%だった。
東信、北信、中信、南信の地域別では、「年金など社会保障」の回答割合が北信で最も高く38%。続いて中信35%、南信33%、東信31%の順だった。
<政権に期待する地域課題は>
圧勝した民主党が中心となる新政権。出口調査で、選挙後の政権に取り組んでほしい地域課題を尋ねたところ、「医療・福祉の充実」が33%で最も多く、「雇用対策」が24%、「教育・子育て支援」が13%と続いた。
医療・福祉の充実は、県内5小選挙区すべてで最も関心が高かった。県内の市・郡別でみると、下高井郡が44%、上水内郡が42%などと郡部で高くなった。年代別でみると、20代で20%、30代では17%にとどまったのに対し、60代で43%、70代では45%を占め、年代が上になるほど回答割合が高くなっている。
県内の7月の有効求人倍率は0・39倍で、1963(昭和38)年の調査開始以来の最低水準。そうした雇用情勢の厳しさから、雇用対策を挙げたのは男性の28%、女性の20%に上った。市・郡別でみると、北安曇郡(33%)、小諸市(31%)、埴科郡(30%)、須坂市(30%)で比較的高い割合だった。年代別では、40代が30%、50代が33%と高めで、20代も27%を占めた。
教育・子育て支援と回答したのは、男性が11%、女性が15%。年代別では30代で32%を占めて最も関心が高く、20代でも22%に上った。
一方、「生活道路などの基盤整備」は3%、「高速交通網の整備」は1%にとどまり、インフラ整備を地域課題に挙げる人は少なかった。
回答別の比例代表の投票先をみると、医療・福祉の充実を挙げた人のうち「民主に投票」と答えたのは51%。自民は20%にとどまった。雇用対策を挙げた有権者は民主53%、自民23%。教育・子育て支援では、民主57%、自民17%で、有権者の関心が高い課題ではいずれも民主が自民に大差をつけた。
【写真説明】順番に投票の受け付けを済ませる有権者=8月30日、諏訪市役所